美しいものを見る事、本物に触れてみる事の意味とは何だろう。
それはものを見る自分の基準を高める為、
見る目を鍛える為であろう。
益子に濱田庄司の参考館がある。
この館には濱田庄司が自分の目を鍛える為、世界中から集めた
民具、陶器、 生活用具、骨壺、衣類、その他が展示されている。
古墳から出土した死者の装飾品、埴輪などもある。
それらは全て大切な何かを感じた故、集めたものであろう。
聞くところによると、それは全貌がわからないほどの量との事である。
すごい努力である。
振り返って私はどうであろう。
職能として、建築という、完成すれば暫くの間
環境を構成する造形物を造る立場にいる。
その責任は、出来るだけ美しく造る事であろう。
その為には、自ずと自分の目を鍛え、
ものを見る基準を高める努力を
常に行わなければならない。
形を決定するという事は、かなり責任のある事である。
その為、常に本物を見極め、見る、触れる、感じる努力を
怠ってはならないと思っている。