私が最も好きな建築の一つが
ヴェローナにあるカステルペッキオ美術館である。
14世紀に作られた城塞が改修され、美術館なっていた。
その美術館を現在の姿に作り替えた建築家がカルロ・スカルパである。
スカルパは、既存の煉瓦と漆喰の壁に対して
窓の位置を変え、打放しコンクリートと鉄骨を加える事で
歴史が重層し、美術作品と建築が絶妙な関係で成立する
展示空間に仕上げている。
城壁で囲まれた芝生の中庭には花が咲き乱れ、
時間を忘れさせる居心地の良い美術館であった。
スカルパは建築の設計だけでは無く、
ガラス器のデザインも行っている。
以前に笠間の日動美術館で、
曲線が美しい 赤い花器の作品を見た記憶がある。
スカルパは講演で来日中、仙台で亡くなった。