来週のお楽しみ。中川原哲治.惠子染織布展

 

 

季節外れの七夕のように、年に一度

待ち焦がれている展覧会があります。

中川原哲治.惠子さんご夫妻」の織物展です。

 

 

もう10年以上前、銀座松屋のイベント会場で

偶然お二人の織物に出合いました。

風が流れるような、自然な展示の仕方と

そこに静かに揺れる、優しい手触りの布たちに心惹かれました。

 

キレイな色のショールはあふれるほどあったのに、、

私が一番気になったのは、どちらかといえばくすんだ色合いの

ガーゼの5重織りの大判ショールでした。

薄く薄く重なっているガーゼの5枚が、全部違う色の

しかもパッチワークのような複雑な色の組み合わせ。

秋の落ち葉の色合いとでも言ったら良いでしょうか、。

肩にかけてみたら、ふわりと暖かく、とにかく手触り良く。

そのままいただいて帰ってきました。

 

テレビや雑誌でも紹介される有名なご夫妻と知ったのは

その会場に、さりげなく置かれていた雑誌からでした。 

家に帰ってさっそくその雑誌を取り寄せ、

何度も繰り返し見ていました。

たまたま見ていたテレビにお二人が出た時には

思わず声を上げ、慌ててビデオをセット。

何度も見ては、またいつか展覧会を見てみたいなぁ、、

と思っていたら、

なんと宇都宮で個展があると!

  

 

個展初日、大分使い込んで、ほつれや引っかけが

出てきていたけれど、出会いのきっかけの

5重織りのショールを羽織って

ドキドキしながら会場に入った途端、、

迎えて下さったのは、お二人のちょっと驚いた、

そして優しい笑顔でした。

 

初めての個展の場所で、自分達のショールを身につけて

来て下さる方がいるとは思わなかったと、

とても喜んで下さいました。

 

初めてお会いしたのに、何故かずっと昔から知っているような

本当に素敵な雰囲気のお二人。

控えめで、優しくて、何より織りに対する想いが深く

お聞きした事には、いつも真剣に丁寧に答えて下さいます。

あれから何度お目にかかっても変わりません。

展示の仕方も、さりげなくオシャレで

あの雰囲気に浸りに、そしてお二人にお会いしたくて、

会期中は何度も足を運びます。

 

私の周りには織物をする方がたくさんいらっしゃるので

個展の度に声をかけて回って、みんなで楽しみます。

こんな素敵なものを見過ごすのは、

本当にもったいない事だと思います。

 

「こんな美しいものを造る人がいるのだなぁ」

いつもいつも、そんな感動を与えてくれる個展です。

 

今年も来週2月24日から3月1日まで、

宇都宮東武7階の美術画廊にて行われます。

ぜひぜひ、足を運んでご覧になってみて下さい。