先週、今年初めての東京へ。
駒場の日本民藝館でのスリップウェア展を見て来ました。
本場イギリスの古いもの、
それから民芸運動を起こした河井寬次郎や
現代の作家のスリップウェア。
灰色がかった茶色、焦げ茶、優しいベージュ。
ウィンドウ越しにたくさん並んだ器を見比べてみると
茶の濃淡の二色使いは
思った以上にバラエティに富んでいました。
益子へ通い始め、益子焼が好きになり、
参考館で初めてスリップウェアを見ました。
益子焼とは明らかに違う、
けれど温かみのある色合いと
ぽってりとした厚みの安心感。
濱田庄司さんの本で その製法を知り
面白いものだなぁと思っていたところで
伊藤丈浩さんのスリップウェアに出合いました。
ガラス越しに眺めるものではなく
実際に手にとって、自分で使う事が出来るのを
とても新鮮に感じた事を覚えています。
今回この展覧会を見て一番嬉しかったのは
美術館に行き、良いものを見て来ると
満足感と共に ほんのかすかに混じる微妙な気持ち、、
「これは眺めるだけのもの。自分で使うことは出来ないんだ。」
そんな淋しさが過ぎるものですが、
「私が持っているスリップウェアの方が
ここに並んでいる器より好き。」
と素直に思えた事でした。
特に繊細な模様は
伊藤さんの右に出る人はいないと確信しました。
おおらかな模様も繊細な模様も
自由自在に操れる伊藤さんはすごいと
改めて我が家にある器を眺めています。
大事に使ってゆきたいと思いました。